2005年8月21日(日)「しんぶん赤旗」
総選挙 最前線
「自民に絶縁状」「民主案はより悪い」
郵政民営化 “集票マシン”にきしみ
特定郵便局長「もう共産党しかない」
「自民党に絶縁状を突きつけたい」「民主党案は自民党より悪い」―。自民党の「集票マシン」ともいわれた特定郵便局関係者にいま大きな変化が起きています。京都府の日本共産党が郵政民営化問題で特定郵便局長などとの対話を積極的にすすめ、「日本共産党が一貫してよくやっているのは知っている」と期待が寄せられています。(阿曽隆)
■京都で対話すすむ
|
「長年、局長会の顧問をしてもらっていた先生に降りてもらおうと仲間と話している。絶縁状を突きつけたい。もう自民党を支持する気にはなれない」
京都市内二百七の特定郵便局のうち約半数の百四をしめる京都市北部地区特定郵便局長会。そのメンバーである複数の局長が怒りをあらわに語りました。顧問の先生とは自民党京都府連会長の伊吹文明元労働相(衆院京都1区)です。
市内で百年続く郵便局の局長はいいます。
「地域の中で信用第一に頑張ってきた。それが、民営化で効率化を追求されれば、たとえ都市部でも統廃合される可能性が高い。利用者にとってもサービスが低下していいことはありません。それを権力をかさにきてすすめる小泉自民党にはもうついていけない」
■統廃合への不安過疎地では強く
民主党についても「郵政改革案をみたが、郵貯限度額を段階的に縮小し、先細りになって弱ったところでつぶしてしまおうというもの。自民党より悪いぐらい」と厳しく批判します。
山間や過疎地では民営化による統廃合への不安はいっそう強く、「郵便局の灯を消すな」の声が高まっています。
「採算重視で小さな郵便局がなくなったら地域に大打撃」と心配するのは、旧京北町(四月に京都市と合併)の菅河(すがわ)嘉平さん(79)。地域に金融機関は郵便局しかありません。
「貯蓄を預けたり、とれた野菜を子どもに送ったり、郵便局は重宝しています。銀行まで十三キロメートル、宅配便も十キロメートル行かないとないのです。民営化しても私たちにとっていいことは一つもない。民営化反対をはじめ、庶民のための政策を掲げている共産党に頑張ってもらいたい」
京都府北部の郵政OB会役員を務めるある元局長は「われわれにも過疎地から郵便局をなくさないでという声がたくさん寄せられている。自民党とは長く信頼関係にあったが、こんどはもうダメだ。顧問からも降りていただく」と話します。
京都府では、衆院比例近畿ブロック候補のこくた恵二前衆院議員(京都1区と重複)はじめ京都小選挙区候補と地方議員が、昨年から府内約四百七十の特定郵便局長らと対話をすすめています。特定郵便局長が「これからも頑張ってほしい」と「しんぶん赤旗」日刊紙を購読するなど、党への期待と共感が広がっています。
■局前でどんどん宣伝してと激励
郵貯・簡保の三百四十兆円を日米金融資本の食い物にするためという民営化の真の狙いを明らかにしながら共同を呼びかけています。
京都2区の原としふみ候補は、左京区を中心に光永敦彦府議らとともに郵便局長らと対話を重ねすでに三巡目に。原候補が「一部の大企業のもうけのために、地域住民の生活を支えている郵便局のネットワークを売り渡すことは、絶対に許すわけにいきません」と訴えると、局長が表に出てきました。そして「民主の郵政改革案は選挙目当て。共産党が一貫して良くやってくれているのは知っている。局前でどんどん宣伝してください」と激励してくれました。
日本共産党の訪問を受けた局長の一人はこう期待を込めます。
「もう本当に支持したいと思える政党は共産党しかないですよ。郵政だけでなく年金問題など、共産党の政策には共感してます。議席をのばして頑張ってほしい」