2005年8月21日(日)「しんぶん赤旗」
小泉首相の無責任言行録
かつては造反を自画自賛
いま対抗馬立て締め上げ
内閣が命運をかけた法案が廃案(否決)になったら内閣総辞職が当たり前――小泉純一郎首相はかつてこんな発言をしていました。小泉首相のことばに従えば、郵政民営化法案が否決された小泉内閣は総辞職するのが筋でした。
小泉首相の発言は、海部俊樹内閣のもとで一九九一年に小選挙区導入など「政治改革」三法案が廃案になったあとのもの。「内閣が命運をかけた政治改革法案が廃案になるのだから、海部内閣が総辞職するのは当たり前という私の言い分が通って、結果はその通りになったわけです」(小泉首相の政治団体・東泉会発行『泉』二十三号、一九九二年)と語っていました。
小泉氏は、さらに「(私は)時の内閣が命運をかけている法案、しかも党の執行部が全力を挙げている法案に真っ向から反対した」「党の執行部に盾突くものじゃないとか、海部総理は人気が高いし、足をひっぱるものじゃないとか、いろいろ(な人が)忠告・助言等してくれました」「信念通りに行動し、発言し、結果は私のいうとおり(廃案)になったということで、私の政治活動上、見通しの点でも、また自らの信念を貫いたという点でも自信になりました」。自らの“造反”行動を自画自賛したものでした。
ところが、今回の郵政法案否決で小泉首相は自民党内の法案反対議員にたいし総選挙で党公認としないばかりか、選挙区に対抗馬をぶつけるなど締め上げています。自民党の内部問題とはいえ、小泉氏の対応は過去の言動や主張と百八十度逆さまです。
立場変われば言行が変わる無責任――政治家・小泉純一郎氏の言動を検証した結論です。