2005年8月21日(日)「しんぶん赤旗」

民主党 官僚新人候補が倍増

小泉政治の支え手を次々公認


 総選挙で政権交代を実現して自民党政治を「刷新」すると訴える民主党が、小泉政権の「構造改革」路線を支えた元官僚を次々と候補に公認しています。人数は前回総選挙の約二倍に。政治研究者の江藤俊介さんは「『二大政党』の政策に違いがないことを、人材面でも示している。両党が接近すればするほど、『第三極』の選択肢を打ち出す勢力の存在意義が大きくなる」と指摘しています。

 同党の官僚出身の新人公認候補は、十九日現在で十一人。報道によると、前回総選挙時(〇三年)は六人でした。

 同党が十二日に公認を発表した元内閣府政策参与の岸本周平氏(和歌山1区)は、竹中平蔵郵政民営化・経済財政担当相のブレーンとして政策立案に携わりました。日本経団連会長の奥田碩・トヨタ会長とも関係が深く、自身の記者会見資料に「奥田会長と竹中大臣のブレーン」と記しています。

 岸本氏は会見で「構造改革をしたいという思いは奥田さん竹中さんと同じ」と発言。それでも民主党から立候補する理由については「自民党政権下では自分が目指す政策が実現できない」(同党ホームページ)と説明しています。

 茨城1区から立候補する福島伸享氏は、元内閣官房参事官補佐。「小泉構造改革の目玉」とされた「構造改革特区」制度の創出に深くかかわりました。自身のホームページで、この制度を「立案し、実現させました」と誇っています。前回総選挙(落選)に続き、今回も民主党公認で立候補します。

 自民党県議が民主公認で立候補するケースもあります。奈良4区では現職の自民党県議・森下豊氏が離党届を提出(七月二十五日)し、民主公認で立候補を表明(自民は除名処分)。群馬2区でも自民党員県議の石関貴史氏が離党し、民主公認が決まっています。やはり民主公認の元自民党県議・谷田川元氏(千葉10区)は会見で「民主党と自民党と政策がかけ離れているわけではない」と語っています。

 江藤さんは「国政進出を狙う官僚にとって、民主党が違和感のない存在なのだろう。自民県議にとっても、より権力に近づきやすいと考えたのでは。現職や世襲候補が多い自民党よりも当選しやすく、党内での発言力も得やすいと考えたのではないか」と話しています。


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