2005年8月18日(木)「しんぶん赤旗」
インドネシアに公式謝罪
オランダ政府 植民地支配と軍事攻撃
【ハノイ=鈴木勝比古】オランダ政府は十六日、インドネシアにたいする植民地支配と軍事攻撃について深い遺憾の意を表明し、公式に謝罪しました。オランダのベン・ボット外相が十六日夜、ジャカルタのインドネシア外務省を訪れて声明を読み上げました。
同地からの報道によると、ボット外相は特に日本軍の降伏後にオランダが大規模な軍を配備して独立運動を攻撃したことを誤りだったと謝罪。
「オランダの行動によってあなたがたの多くの人々が犠牲となった。私はここにオランダ政府を代表して、こうした苦しみに対して深い遺憾の意を表明します」とのべました。
同外相は、「オランダが植民地時代と特にその最後の段階で、インドネシア国民の利益と尊厳を傷つけたことをオランダ国民は認めなければならない」と指摘。「つらい記憶が私たちの心から消えることはないが、この記憶がわれわれの和解を妨げることはない」と付け加えました。
ボット外相の言明は、ハッサン外相、インドネシア外務省高官や国会議員、日本、米国、オーストラリア、シンガポールの各大使を前にして行われました。
オランダは十七世紀初頭から一九四二年の日本軍による占領までインドネシアを約三百五十年間にわたって植民地支配しました。日本軍の降伏後、インドネシアは四五年八月十七日に独立を宣言しましたが、オランダは認めず、四九年十二月まで大規模な軍隊を送って独立軍を攻撃。オランダ側の推定ではこの戦争でインドネシア人十五万人、オランダ人六千人が死亡しました。