2005年8月17日(水)「しんぶん赤旗」

ここに野党あり

オール与党国会と共産党

議会制民主主義

審議拒否せず堂々論戦


 郵政民営化法案に固執する与党が国会会期を五十五日間延長した六月十七日、「酒気帯び本会議騒ぎ」が起きました。

 会期延長に反対する民主党が川崎二郎衆院議院運営委員長(自民)の解任決議案で対抗。同案否決後に午後九時ごろ再開された“緊迫”の衆院本会議だというのに、自民、公明、民主の少なくない議員が酒気を帯びて現れたのです。

■酒気帯び自公民

 本会議直前まで日本経団連の政治活動組織である企業人政治フォーラムのパーティーが開かれ、自民、民主、公明議員が列席していました。

 財界主導の「二大政党制づくり」のもとで進む国会のオール与党化は低調な論戦、国会軽視、議員のモラル低下をもたらしました。自公民はその上に酒気帯び出席という新たな汚点を付け加えたのです。

 「小泉首相はもっと丁寧に答弁すべきだった。同時に、答弁に不満があれば論戦を通じて問題にすべきだ」。日本共産党の市田忠義書記局長は一月二十四日の記者会見でこうのべました。

 国会冒頭の衆院本会議。民主党の岡田克也代表の再質問に小泉首相は「すべて明確に答えた」と一言で答弁を終わらせ、これを不満として民主党が本会議を退席する事態となりました。

 小泉首相は、靖国参拝の時期について「適切に判断する」と七回も繰り返す答弁(一月二十七日)をはじめ議論を深めることを拒否するような態度をとり、与党はしばしば審議の条件を壊す強引な国会運営を行いました。

 一方の民主党も予算案の審議拒否を繰り返したのに続き、「郵政民営化法案に欠陥がある」として衆院の特別委設置の本会議(五月二十日)をはじめ全委員会を十日余にわたり欠席。法案審議の前からボイコットするという道理のなさは世論の批判を浴びました。

 ある一般紙記者は「民主は基本路線で自民と違いがないから、審議の中身に入ると苦しくなってしまう。本筋と違うところでしか対決を演出できない」と語りました。

 日本共産党は議会制民主主義を守る立場から与党の強引な国会運営に抗議。道理のない審議拒否も批判し、民主党が欠席した衆院郵政特別委員会でも堂々と質問しました。「共産党の態度は首尾一貫していて分かりやすい」というのは国会関係者の共通した見方になっています。

■「政治とカネ」は

 日本歯科医師連盟(日歯連)のヤミ献金、自民党の迂回(うかい)献金疑惑をめぐる真相解明のための橋本龍太郎元首相らの証人喚問は実現せず、与党と民主党が再発防止を名目に提出した政治資金規正法「改正」も手付かず――「政治とカネ」問題が前に進まなかったのもこの国会でした。

 そこには自民、民主両党とも企業・団体献金を容認し、政党助成金に頼りきり、団体ぐるみ選挙を展開するという共通の土台に立っていることが背景にあります。

 政党助成金を現在の民主党発足後の五年間で比べると、自民党は七百四十五億三千万円、民主党は四百十三億八千万円も受け取っています。民主党は〇三年の収入に占める助成金の割合が84・6%にも達しています。

 献金欲しさに財界にすり寄る姿勢も両党は共通しています。自民党は〇三年に集めた献金三十八億五千八百万円のうち、企業・団体献金が三十五億四千三百万円にものぼります。民主党は「政官業の癒着を断つ」といいながら五億円献金を目標に企業行脚しています。

 日歯連マネーの汚染をみても自民党議員は小泉首相を含む二百四十一人、民主党議員は鳩山由紀夫元代表ら十三人が献金を受け取っています。

 企業・団体献金も政党助成金も受け取らず国民と結びついて活動している日本共産党こそ、金権・腐敗政治と対決できる「たしかな野党」です。

 (この連載は、遠藤誠二、竹腰将弘、古荘智子、矢守一英が担当しました)


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