2005年8月16日(火)「しんぶん赤旗」

「日本で右翼的動きが増大」

隣国から孤立の恐れ

英字紙が警告


 日本敗戦六十年に当たり、パリ編集の国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン十五日付は、第二次大戦での日本の残酷さを塗り消し平和憲法を書き換えようとする右翼的動きが増大していると指摘し、このままでは日本は他のアジア諸国から孤立してしまうと警告しました。

 東京発の記事は「責任になお苦しむ日本」の見出しで、「日本の兵士の勇気を激賞する映画、小説、コミックがあふれ、日本の戦争での残酷さを打ち消して西欧の植民地支配を終わらせた戦争とする学校教科書が使われている」と「戦争を誇りにする動きが増大している」と指摘。「日本を残酷な侵略者と見る(日本以外の)東アジア諸国との認識の差がますます拡大している」と強調しています。

 また、東京裁判については「勝利者の復しゅう」と見られ、「日本の指導者はドイツのように自国の戦争責任についてのコンセンサスづくりに指導的役割をはたさなかった」と批判しています。

 同記事は「日本の真の誤り」は、「日本の戦争の役割を論議するときに、(日本による)戦争犠牲者の声を拒否してきたことだ」と指摘。「日本の戦争観は日本を隣国から孤立させる恐れがある」「(日本の戦争)犠牲者の意見を真剣に取り入れることだけがアジア諸国の日本の信頼を取り戻すことができる」と結論づけています。

 また同紙はシンガポール発の記事で、米国の日本政策研究所のチャルマス・ジョンソン氏の「日本は極端な民族主義へ進もうとしている」「武力行使を禁じた戦後憲法を書き直し、戦時中の軍国主義への謝罪を撤回しようとしている」との発言を引用しています。


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