2005年8月16日(火)「しんぶん赤旗」

ここに野党あり

オール与党国会と共産党

国民要求 国政へ

30人学級への流れ開く


 日本共産党は、「たしかな野党」として、国民の運動と力をあわせて、その要求を国政に反映させるためにがんばってきました。

■中教審も「必要」

 中央教育審議会は、来年度から始まる第八次教職員の定数改善計画にむけ、公立小中学校の学級編成の基準引き下げについて検討を要望しました。国民の運動と国会での日本共産党の追及が背景にあります。

 小林みえこ参院議員は三月二十九日の文教科学委員会で、「国として三十人学級を実施すべき時ではないか」と質問。鳥居泰彦中教審会長は、「三十人学級を中心とした手厚い教育が必要であることは申すまでもない。これから審議の対象になる」と答弁しました。中教審が三十人学級の必要性を認めたのはこの時が初めてです。

 石井いく子衆院議員は二月、文部科学委員会で、大阪府寝屋川市で起きた小学校教職員殺傷事件を取り上げ、「来年度からの第八次教職員定数計画があるのだから、三十人学級にぜひ踏み込むべきだ。新たな教員加配も考えるべきだ」と中山成彬文科相に迫りました。同文科相は「少人数といいますか、少しずつでも、クラスの数を減らす方にいかないといけないと思っている」と答え、歴代の文科相では少人数学級の方向性を始めて認めました。

 日本共産党は、一九七八年に、当時の山原健二郎衆院議員が「世界の学級規模から日本は遅れている」と国会で取り上げた後に、文教委員会に定数問題小委員会が設置され、その二年後に四十人学級が実現しました。

 「今度は三十人学級を」――多くの国民の願いをもとに、必要な教員数や予算規模など試算すらしない文部省にたいし独自の試算を示すなど、衆参あわせ九十回近い質問をねばり強く重ね、中教審などを動かしてきました。

■アスベストでも

 日本共産党国会議員団のアスベスト対策チーム(責任者・市田忠義書記局長)は七月十四日、首相官邸を訪れ、アスベスト被害の実態調査実施、石綿製品の製造・使用の全面禁止、石綿労災認定の抜本的見直し、被害者を救済する新制度実現―などを細田博之官房長官に緊急に申し入れました。

 文科省は七月二十九日、国公私立のすべての学校、図書館、体育施設、文化施設など全国十四万七千の機関を対象に、アスベスト使用状況の緊急調査をおこなうことを決めました。石井議員が、七月二十日の文部科学委員会で、調査の対象外だった私立学校や体育施設も加えるべきだと要求したことをうけてのものです。

 中皮腫や肺がんなどにかかり、労働者や家族、工場周辺の住民が多数死亡しているアスベスト被害。日本共産党は七〇年代から事態の深刻さを認識し、実態調査をもとに、その使用禁止を国会で追及してきました。マスメディアもこれに注目。「朝日」七月二十一日付は一面トップで、七二年に山原議員が大阪のアスベスト製造工場従業員に肺がんが多発していると質問し、厚生省幹部が工場周辺住民への検診の必要性に言及していたことを報じました。

 災害被災者支援、BSE(牛海綿状脳症)、JR福知山線事故、サービス残業――今国会で党国会議員団が取り上げた問題は各分野にわたっています。衆参あわせ十八人ながら、真に国民の立場にたって活動する野党ならではの成果が数多くあります。


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