2005年8月14日(日)「しんぶん赤旗」
スリランカ外相暗殺
非常事態宣言を発令
【ニューデリー=小玉純一】スリランカのカディルガマル外相(73)が十二日夜、コロンボ市内の自宅で銃撃され、死亡しました。これを受けてクマラトゥンガ大統領は国家非常事態宣言を発令しました。
これまでのところ暗殺の犯行声明は出ていません。警察当局は、少数派タミル人の反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」の犯行の可能性があるとしています。LTTEが関与したとすれば、二〇〇二年二月からの政府とLTTEとの停戦協定の維持が危うくなる恐れがあります。
報道によるとコロンボ市内には軍部隊が展開。主要道路などで配置についています。
カディルガマル外相は、自宅のプールを出たあとに狙撃されました。外相はタミル人ですが、LTTEをテロ組織として認定するよう国際キャンペーンを行うなど強硬派でした。ただ停戦後は、交渉による問題解決を支持していました。今回の暗殺は、一九九九年にクマラトゥンガ大統領が爆弾テロで片目を失明して以来の主要政治家へのテロとなりました。
同国では、八三年から〇二年停戦までの約二十年の内戦で約六万五千人が犠牲になりました。昨年十二月の大津波を受けて、政府とLTTEが復興に協力する合意が六月にできましたが、多数派のシンハラ人を基盤とする人民解放戦線(JVP)が政権を離脱して抗議。LTTE支配地域で復興が遅れ、LTTEが反発していたといいます。