2005年8月13日(土)「しんぶん赤旗」
イラク憲法起草
シーア派も連邦制支持
スンニ派は反発
【カイロ=小泉大介】十五日の期限を目前に憲法起草作業が大詰めを迎えているイラクで十一日、イスラム教シーア派の有力組織イラク・イスラム革命最高評議会の指導者、アブドルアジズ・ハキム師がシーア派住民が多数を占める南部を中心にした自治区形成と連邦制導入を支持する立場を表明しました。
連邦制導入は北部を拠点とするクルド人勢力が主張、これに反対するイスラム教スンニ派勢力との間で憲法起草作業上、最大の対立点となってきました。シーア派も連邦制導入を要求したことで混迷が深まる可能性もでてきました。
ハキム師は南部のシーア派聖地ナジャフでの演説で、「われわれは南部と中部を含む一つの地域を形成する必要がある」「憲法は中央政府と並ぶ地方政府の存在を許すものでなければならない」と訴えました。
これに対し、スンニ派の憲法起草委員会メンバー、カマル・ハムドゥーン氏は「連邦制導入の狙いはイラクを民族的、宗派的地域によって分断することにある」と反対を表明しました。