2005年8月13日(土)「しんぶん赤旗」
討論番組
共産党、公平な扱い申し入れ
フジ 「受け止め、検討する」
日本共産党は十二日、フジテレビが十四日に予定していた「報道2001」の各党党首・代表による討論会を直前になって白紙に戻し、自民と民主両党だけが登場する番組に差し替えようとしていることについて、「不公平・不公正な扱いであり容認できない。是正措置をとるべきだ」と申し入れました。
申し入れたのは、党広報部の植木俊雄部長と東漢副部長。フジ側から小林泰一郎プロデューサーらが応対しました。
日本共産党の志位和夫委員長は、フジテレビの緊急出演要請に出席すると回答していましたが、フジ側は十一日午後になって突然、白紙に戻したいと連絡。再検討を求める党の要請に何の連絡もないため、この日の申し入れとなったものです。
このなかで小林氏は、自民党が十一日になって「マニフェスト(政権公約)ができていないので討論できる段階でない」との理由で欠席を通告してきたこと、これにたいし番組としては納得できないと交渉したが実現しなかったことが、企画変更の原因であると明らかにしました。
植木氏は、論争を避ける自民党の理不尽な態度が当事者から明らかにされたことは重要だとのべました。そのうえで、総選挙投票まで一カ月と迫った段階で、各党の政策や路線を多面的に知らせることは報道機関の重要な責務であり、特定の政党を排除するのは、「政治的に公平であること」と定める放送法の原則に反すると強調。公平原則をまもった企画になるよう是正措置をとるべきだと求めました。
これにたいし小林氏は、「抗議と要請を受けとめたい。公平性は担保しなければいけないと思っているので、対応を検討したい」と答えました。
■フジテレビへの申し入れ(全文)
日本共産党が十二日おこなったフジテレビへの申し入れの全文は次の通りです。
◇
貴番組では、八月十四日放送の同番組は、解散・総選挙にともない各党党首・代表を招いての討論として企画され、わが党の志位委員長にも出演要請が寄せられており、志位委員長は出席することを回答していました。
ところが放送日より三日前と迫った十一日午後、突然、貴局担当者からこの企画については「白紙にしてほしい」と連絡が入りました。そして、その後、各党党首・代表による討論企画を取りやめた代わりの企画として、自民党幹事長代理、民主党党首、亀井静香氏の三人の個別インタビューを考えているとの連絡がありました。
これにたいして、私どもからは、きわめて不公平・不公正な扱いであり、容認できない、再検討すべきとの意見をのべていました。しかしその後現在まで、貴番組からは何の返事もありません。
そこで、改めて、その不公正な扱いについて厳重に抗議するとともに、次の点を明らかにし、その是正を厳重に申し入れるものです。
第一、当初の各党党首・代表による討論企画がなぜ、白紙となったのか、その経過と理由を明確にされたい。緊急の出演要請をおこなった以上、企画を取りやめるなら、当事者には、その経過と理由を説明する責任があると考えます。
第二、総選挙は、国民が政治に直接参加する重要な機会であり、このような時期、すべての政党代表が一堂にそろい討論をおこなうことは、主権者、国民に各党の政策・路線の違いを多面的にしらせるうえで重要な意義をもつものであり、その場を提供することは、放送メディアの責務と考えます。
にもかかわらず、特定の政党を排除するという措置をとるのは、公共の電波を使用するが故に義務付けられている、放送法の「政治的に公平であること」という番組編成原則に反するものといわざるを得ません。
わが党は以上のことを指摘し、貴番組が必要な是正を自主的にとるよう要請します。