2005年8月12日(金)「しんぶん赤旗」

解散・総選挙 各国の報道


■小泉外交行き詰まり 東南アジア

 東南アジア各国の中国語紙は、日本の衆議院解散・総選挙について社説を掲載し、自民党政治の危機の深さとあわせ、小泉首相のアジア近隣諸国との外交の行き詰まり状況に注目しています。

 シンガポールの聨合早報十日付は、「日本の自民党 政権危機に陥る」と題する社説で、「今回の総選挙は、第二次世界大戦後、最も激烈なものになるだろう。もし、自民党が、選挙時に深刻な分裂状況であれば、再び政権を失う可能性がある」と述べています。

 同社説は、小泉首相が郵政民営化法案の参議院での採決に当たって党内反対派に「尊大でごう慢な態度をとり、党内で多数の議員の反感を生んだ」とし、また、「小泉政権は、外交上でも苦境にある」と指摘しています。

 さらに、「小泉首相は二〇〇二年九月の平壌への歴史的訪問で国民の支持を上昇させたが、その後の一連の外交では、一つ一つ挫折した」「日本と隣国の中国、韓国との関係は、歴史に起因する紛糾で長期間緊張状態にある。日朝国交正常化協議はふるわず、ロシアとの高級レベルの交流も困難にぶつかっている」と指摘。「総選挙は、小泉本人と自民党政治の前途だけでなく、日本の経済・社会改革の方向、日本と隣国の関係を決するだろう」と述べています。

 マレーシアの星州日報十日付は、「小泉、追い詰められて勝負に打って出る」と題する社説を掲載、「今、日本の政治は、航海図がないまま漂流しているようなもので、国民は汚れきった政治に不信感をつのらせ、政治の核心は求心力を失っている」と述べています。

■自民も民主も右傾化 韓国

 韓国紙・東亜日報十日付は「『小泉政変』日本はどこへ行くのか」と題する社説を掲載し、自民党と民主党の違いについて「右傾化はすでに政権党と野党(民主党)を分けるのが難しいくらい危険な水準に達した」と指摘しました。

 社説は、民主党が政権をとった場合の日本外交の変化に注目する一方、「民主党が政権をとっても楽観や安易な判断は禁物だ」と警戒。民主党の若手議員は「日本の過去に対する罪の意識が薄い」とし、「小沢一郎のような自民党本流出身の保守が民主党におり、安保政策ではタカ派傾向の前原誠司のような人物が正面に浮上する」との見方を示しました。

 中央日報十日付は、民主党はさまざまな政治傾向をもった政治家をまぜ合わせた「ビビンバ政党」だと表現。政策については、アジア重視外交を主張する一方で、北朝鮮に対しては自民党以上に強硬な姿勢を取っているとして、民主党が政権を取れば日朝国交正常化はさらに遠のくとの展望を示しています。


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