2005年8月9日(火)「しんぶん赤旗」
6カ国協議 29日以降再開
一時休会 「意見対立の解決へ」
【北京=菊池敏也】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は七日午前、北京の釣魚台迎賓館で首席代表会議を開き、会議後、議長の武大偉中国外務次官が協議を一時休会とし、二十九日からの週に再開すると発表しました。武次官は、(1)平和的な朝鮮半島の非核化実現(2)一つの共同文書を発表すること―で六カ国が合意したと明言しました。
合意文書作成に向け十三日間続いた協議は、核廃棄の範囲と核の平和利用をめぐり、最後まで米国と北朝鮮が対立。武次官は休会の理由について、各国代表団が「自国政府に協議の状況を報告し、それぞれの立場をさらに研究し、意見の対立を解決するため」としています。
各国はこの期間を利用し、協議結果を分析・検討するとともに、必要な二国間協議を行うことも含め、再開への段取りをはかることになります。また、議長国の中国は休会中も積極的な根回しを進め、米朝両国により柔軟な対応を働きかけるものとみられます。
七日午後、記者会見したヒル米国務次官補は、北朝鮮が「平和利用の権利保持だけでなく、軽水炉を合意に盛り込もうとしたこと」が、ここ数日間に浮上した問題だったと言明。再開後に共同文書が採択されれば、九月にも北朝鮮の核放棄を検証するための査察措置などを話し合いたいと述べました。
一方、北朝鮮の金桂冠外務次官は北京の北朝鮮大使館で記者会見し、合意に至らなかった理由について、米国が北朝鮮に平和的核利用の放棄を迫ったことをあげました。同次官は、「協議の休会中に、核完全廃棄を求める米国の政策が変わることを望む」と発言。「真剣で率直、実務的な協議を行った」と述べ、「今後の協議の進展に向けた土台をつくった」と評価しました。