2005年8月7日(日)「しんぶん赤旗」

「親に借りてまで返せ」と/家を売ることに

アイフル被害者が集会

上限金利引き下げ求め決議

松山


 債務者の住居を担保にとった貸し付けや厳しい取り立てなど、サラ金大手「アイフル」(本社京都市)の問題をとりあげている「アイフル被害対策全国会議」(代表・河野聡弁護士)は六日、松山市で集会を開き、被害体験や問題点を交流しました。約二百人が参加しました。

 アイフル社員から乱暴な言葉で執拗(しつよう)な取り立てを受けたとして慰謝料請求の提訴(五日)をした愛媛県の会社員の男性(四十代)は、「アイフルの(取り立て)電話はエスカレートする一方だった。無理な要求ばかりで、どうすればいいのかわからず、自分を見失い、生きていくのが本当につらくなった」と体験を語りました。

 男性は「いまのサラ金は、CMで言うような収支バランスを考えて貸し付けているとは思えない。(貸し付け枠を)増枠し、友だちや親に借りてまで返せという計画を強いる」と話しました。集会では、アイフル社員がこの男性に激しい口調で返済を迫る録音テープが流されました。

 松山市の視覚障害者の女性は、母親(故人)がアイフルで借金を一本化し、自宅不動産を担保にとられた体験を報告。母親の収入が月八万円の年金しかないのに、アイフルは七百万円以上も貸し付け、月の返済額が収入を大幅に超過。連帯保証人となった女性の収入も障害年金の月十万円のみで、「返済できるわけもなく、私の子どもも二十年近く暮らした家だが、やむをえず売却することになりました」とのべました。

 同対策会議の辰巳裕規弁護士は、アイフルが顧客の不動産を担保にとることを社員の目標にしていることを社内資料を示して指摘。「不動産担保ローンは、住居という債務者の生活の基盤を奪うものだ」とのべ、不動産担保ローンの禁止を求める意見書を金融庁などに送付したことを紹介しました。

 同日、同じ会場でアイフル被害対策全国会議と高金利引き下げ全国連絡会が「金利を考えるシンポジウム」を開催。「多重債務の大きな原因は高金利にある」として、出資法の上限金利を速やかに利息制限法の制限金利まで引き下げることなどを求める決議を採択しました。


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