2005年8月7日(日)「しんぶん赤旗」
イラク西部
米軍が大規模作戦
無差別攻撃で民間人死傷
【カイロ=小泉大介】イラク駐留米軍は五日、同国西部ハディサ周辺で千人の海兵隊を動員し、イラク治安部隊とともに大規模な「武装勢力掃討作戦」を開始したと発表しました。同地を拠点に活動するイラク人ジャーナリスト、ジアド・アルサマライ氏は六日、本紙に対し多数の住民が死傷していると証言しました。
米軍は五日以降、ハディサ近郊のハクラニヤを包囲し、五百ポンド爆弾を投下、激しい爆撃を加えました。米軍発表によっても、建物少なくとも四棟が完全に破壊されました。
アルサマライ氏は「米軍は、ハディサとハクラニヤで無差別爆撃と銃撃を実行している。破壊された民家の下には多数の女性や子どもが残されている。正確な犠牲者数はわからないが、病院関係者によれば多数の民間人が死傷している」と述べ、米軍は医療チームの負傷者救出を妨害していると語りました。
今回の米軍作戦は、ハディサで三日、爆弾により海兵隊十四人が死亡したことへの報復とみられます。アルサマライ氏は、「米軍は民間人も武装勢力も区別しない。しかし武装勢力の攻撃はやまず住民の犠牲ばかりが増えている。米軍がイラクで繰り返しているのはこのことだ」と強調しました。