2005年8月6日(土)「しんぶん赤旗」

イラク首相「最悪の戦争状態」

武装勢力攻撃全土で犠牲者


 【カイロ=小泉大介】イラクで米軍の「掃討作戦」と武装勢力の攻撃が激化の一途をたどるなか、移行政府のジャファリ首相は四日の会見で、「われわれは戦争状態にある。それも最悪の種類の戦争である」と事態の重大性を強調するとともに、イラク治安部隊の育成や情報活動強化など十二項目の新たな治安対策を明らかにしました。

 イラクでは米軍の掃討作戦強化に比例して武装勢力の活動が活発化しており、三日には西部ハディサ近郊で米海兵隊員十四人が道路脇に仕掛けられた爆弾の爆発により死亡しました。米軍は四日、首都バグダッドでも三日に米兵三人が道路脇の爆弾攻撃で死亡し、西部ラマディでは海兵隊員一人が戦闘により死亡したと発表。米兵の死者は過去十日間だけで約四十人に達しています。

 四日には全土で武装勢力の攻撃が発生し二十人以上のイラク人が死亡。中部バクバでは検問所を標的にした自動車爆弾の爆発で四人が死亡し、北部ドフクでも自爆攻撃で四人が死亡、キルクークでは警察パトロール部隊への攻撃で三人が死亡しました。バグダッドでは同日、移行政府のチャラビ副首相の側近が自宅で射殺される事件も発生しました。

 実質的なイラク占領を継続するブッシュ米大統領やラムズフェルド同国防長官は四日、相次いでイラク駐留継続の意思を表明。イラク内務省は同日、政治プロセス成功に向けた全国的な治安作戦を開始したと発表しました。今月十五日に恒久憲法起草期限という政治的節目を迎えるイラク情勢は重大な局面を迎えています。


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