2005年8月4日(木)「しんぶん赤旗」
教員研修先に陸自
10年経験者対象に都教委
東京都教育委員会が都内の公立学校の教員を対象に行っている「十年経験者研修」の研修先に陸上自衛隊を指定していたことが三日までに明らかになりました。都教委は「銃器は扱わない」としていますが、教職員から批判と中止を求める声があがっています。
「十年経験者研修」は採用十一年目の教員を対象に二〇〇三年度から始めたもので、ことしは約八百人を対象にしています。
都教委はこれまで行政機関や企業、社会福祉法人などを研修先に指定し、今年度は新たに自衛隊を加えました。
自衛隊での研修は四日に行う予定で、都教委はホームページ上で「陸上自衛隊広報センターや朝霞駐屯地を見学し、国民生活を守るための自衛隊の役割や意義について学ぶ。基本教練(着替えなくてもできる基本的な動作訓練)や給食も体験する」としています。
都教育庁教職員研修センターは「(自衛隊員の)教練を見学するだけで教員が一緒に動作をすることはない。自衛隊について議論のあることは承知しているが、公的な機関であり、研修先からはずすことは考えていない」と説明しています。
■中止を要請都教組、都障教組
東京都障害児学校教職員組合(白瀬美弘委員長)と東京都教職員組合(中山伸委員長)は三日までに自衛隊への教員研修を中止するよう都教委に要請しました。
都教組は、「教育基本法が掲げる教育の目的に真っ向から反する」と厳しく批判しています。