2005年8月4日(木)「しんぶん赤旗」
経産省
石綿業界に天下り
衆院委で塩川議員 対策遅れの背景に
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アスベスト(石綿)による健康被害が拡大するなか、経済産業省出身者が石綿協会等に天下りしていたことが三日、分かりました。同日の衆院経済産業委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員が指摘。アスベストの危険性が早くから指摘され、七〇年代から石綿消費量を減らしてきた欧米に比べ日本の対策が遅れた(グラフ参照)背景に、監督官庁の業界寄り姿勢があることを追及しました。
天下りは一九八九年から二〇〇二年にかけておこなわれ、業界団体である石綿協会の歴代専務理事に就任していました。また、石綿代替製品の開発・研究の委託先である財団法人・建材試験センターにも、同省と国土交通省などの出身者が歴代理事長などに多数天下りしていました。
塩川氏は、国は石綿製造企業の要請を受けて、関係法令の改正前に製造されたアスベスト製品の在庫販売を可能にするなど、使用禁止を遅らせ、被害を助長させてきた問題を指摘。「石綿を使い続けたい業界と利用企業の利益を優先させ、国民の命と健康は後回しにするものだ」と批判し、過去にさかのぼり行政の責任を検証するよう求めました。
中川昭一経産相は「(欧米に比べ)日本のやり方が正しくなかった。過去のことで検証すべきことはある。それにより責任問題も出てくる」と答弁しました。