2005年8月2日(火)「しんぶん赤旗」
核兵器廃絶へうねりを
原水爆禁止世界大会 科学者集会開く
「いま、核兵器の廃絶!逆流を越えてさらに大きなうねりを」を主テーマに、原水爆禁止2005年世界大会科学者集会が一日、東京都内で開かれました。自然科学、社会科学、人文科学の各分野から百四十人あまりの科学者たちが参加しました。
海外代表として参加した元国際司法裁判所判事のクリストファー・ウィラマントリーさんは、「核兵器の違法性と科学者の責任」と題して報告。政治家や軍人だけで核兵器はつくれないとして、科学者が核兵器に反対することの意義を強調しました。
国内からは核問題研究者の新原昭治さん、女性史研究者の米田佐代子さん、物理学者の沢田昭二さん、女優で社会福祉士の斉藤とも子さん、中央大学学生の池内沙織さん、政治学者の北村浩さんの六氏が報告しました。
新原さんは、「広島・長崎の原爆投下から六十年目のアメリカ核戦略の方向」と題して報告。米国のブッシュ政権が進める核兵器政策とそれに追随する日本政府に対し、被爆国国民の非核の願いにそって核兵器廃絶の世論を強めようと呼びかけました。
斉藤さんは、井上ひさしさんの演劇「父と暮せば」で主人公を演じたのがきっかけで「原爆小頭症」の人たちやその家族と出会い、これまでの困難な生活や思いを聞き取る活動を続けてきたことを紹介しました。
ことし五月に開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けニューヨークで活動してきた池内さんが、米国や各国から来た人々とさまざまな交流をする中で、核兵器廃絶の運動に確信を持つことができたと報告すると、激励の拍手が送られました。