2005年7月31日(日)「しんぶん赤旗」
生きる権利を空文化
「自立支援」法案に批判
全障研大会が開幕
「平和・人権・発達保障をみんなの手で」をテーマに、全国障害者問題研究会第三十九回全国大会が、三十日から北海道千歳市で始まりました(三十一日まで)。障害者、家族、施設関係者、教師など二千人が集まり、「自立支援」法の問題、障害児教育、権利保障など一年間の経験などが交流されました。
国会では、障害者の声を無視して「自立支援」法案の審議がすすんでおり、「これからの生活が不安」「絶対通してはならない」との声が参加者から多く出されています。
大会の基調報告では、「自立支援」法案は小泉内閣の「福祉切り捨て」路線の一環であり、人として生きる権利をうたった憲法二五条を空文化するものだと批判しています。
三十日は一日かけて三十四の分科会を開催。「障害者運動」の分科会では約四十人が参加。京都の作業所に通う精神障害者の女性は「『自立支援』法が成立したら、作業所にいくにもお金がかかる。仲間はお金がかかるなら行かないと言っている」、小学五年生の重度障害の子どもをもつ広島のお母さんは「児童がどうなるのか心配。通園施設はどうなるのか」と語りました。
障全協(障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会)の白沢仁事務局長は「ここまで可決を延ばしているのは運動の結果。しかし国会ではこの法案を通せとの圧力も強くなっている。運動をさらに強めていく必要がある」と強調しました。
三十一日には全体会があり、シンポジウム「障害者福祉制度改革なにが問題か」も開かれます。