2005年7月31日(日)「しんぶん赤旗」
核兵器は犯罪
原爆被害、多面的に
国際市民会議の討論続く
東京
■全体・分科会2日目
二十九日から始まったノーモア ヒロシマ・ナガサキ国際市民会議は二日目の三十日、東京・日本青年館で「広島・長崎の原爆被害の実相解明」「核兵器の犯罪性」をテーマに全体会を開き、分科会で議論を深めました。三百五十人が参加しました。
「核兵器の犯罪性」の全体会では、前国際司法裁判所副所長のクリストファー・ウィラマントリ氏と高橋哲哉東京大学大学院教授が基調報告。
ウィラマントリ氏は、核兵器使用で犠牲になるのは大多数が市民であり、環境、文化遺産の破壊にも及ぶと指摘。人道と国際法の根幹を踏みにじる核兵器使用の犯罪性を強調し、「ノーモア ヒロシマ・ナガサキ」は世界の問題と述べました。
高橋氏は、広島・長崎への原爆投下は正当化できない「許され得ない犯罪だった」と指摘。「原爆投下の犯罪を裁くことは、復しゅうではない。和解と平和の前提となる共通の判断をつくることで、より深く広い歴史認識を共有するための努力だ」と話しました。
アメリカ、韓国の研究者、法学者、被爆者らが発言しました。
「広島・長崎の原爆被害の実相解明」の全体会では、被爆者や医師、研究者らが発言。被爆後も続く原爆被害を検証しました。
肥田舜太郎医師は、被爆から二十年近くたってから、妻を白血病で亡くし、本人も慢性肝炎で働けず、十二歳の娘を残して自殺未遂をした男性の事例をあげて、今も続く被害を告発しました。
会議終了後、記念コンサート「水ヲ下サイ」が開かれました。
同会議は被爆六十年の今年、高齢化がすすむ被爆者が各界各層の幅広い人たちに呼びかけ開かれているもので、三十一日には市民集会やピースウオークが行われます。