2005年7月30日(土)「しんぶん赤旗」

アスベスト

労災認定の範囲拡大

山口議員に厚労省答弁


 厚生労働省はアスベスト(石綿)による健康被害で労災請求の手続きを簡略化する通達を二十七日付で出しましたが、労働安全衛生法に基づく「石綿障害予防規則」で健康診断を義務づけている「石綿を製造し、もしくは取り扱う業務に常時従事する労働者」の範囲を広げて、労災認定の対象にすることが二十九日、明らかになりました。衆院厚生労働委員会で日本共産党の山口富男議員の質問に、青木豊労働基準局長が答えたもの。

 通達は、建設現場を転々とするなど被害状況の特定が難しい労働者について、労災補償の事実認定手続きを簡略化し迅速な認定を進めるもので、建設労働関係組合や日本共産党国会議員団が要求し、実現したものです。

 対象は、(1)耐火建築物にかかわる鉄骨への吹きつけ作業(2)断熱もしくは保温のための被覆またはその補修作業(3)スレート板など難燃性の建築材料の加工作業(4)建築物の解体作業(5)鉄骨製の船舶または車両の補修または解体作業(6)タルク、バーミキュライトおよび繊維状ブルサイトなどを取り扱う作業(7)前記(1)―(6)の作業が行われている場所における作業―に当該期間従事していた労働者です。

 この日の委員会で、青木氏が通達の内容を把握していなかったことが分かり、アスベスト問題に対する政府の無責任さを浮き彫りにしました。

 山口氏は「局長さえ見たことのないような通達がでているのか。労働基準局はアスベスト対策の要。驚くべきことだ」と謝罪を要求。尾辻秀久厚労相は「通達は(アスベスト対策を)何とかしなければならないとして出した。おわび申し上げる」とのべるとともに、労働者、退職者、家族、周辺住民の健康相談窓口を設けることを明らかにしました。


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