2005年7月28日(木)「しんぶん赤旗」
石綿関連で健康管理手帳
交付はわずか592人
山口議員に労働基準局長
アスベスト(石綿)が原因とみられるがんの一種、中皮腫などで、健康管理手帳の交付を受けている患者が二〇〇四年度末現在、全国で五百九十二人、東京都でわずか三人にとどまっていることが二十七日、分かりました。衆院厚生労働委員会で、厚労省の青木豊・労働基準局長が日本共産党の山口富男議員の質問に答えたもの。
健康管理手帳は、がんなどの重度の健康障害にかかるおそれのある業務を行った労働者が離職の際か離職後、申請し認められた場合、交付されます。交付された人は、離職後も年に二回、無料で健康診断を受けられます。
厚生労働省によると、特定化学物質等障害予防規則で石綿検診を義務付けられている二〇〇四年の対象者は約二万人。ところが健康管理手帳を申請し、交付されているのは全国で五百九十二人です。
山口氏は、潜伏期間の長いアスベストにかかわる疾病は、その変化を医学的に把握することが、健康管理をすすめる上で、きわめて重要になると指摘。「アスベスト対策で非常に重要な意味をもつ手帳の交付が、あまりにも少ない。よく吟味する必要のある問題だ」と主張しました。
青木氏は「健康管理手帳(の交付)が少ないという面もある。専門家による調査で検討してもらいたい」と認めました。
尾辻秀久厚労相は「足らないことがいろいろあると率直に思っている。やれることは、どんどんやりたい」との認識を示しました。