2005年7月27日(水)「しんぶん赤旗」
米労働総同盟産別会議が大会
2労組が脱退表明
【シカゴ=山崎伸治】米労働総同盟産別会議(AFL・CIO、組合員千三百万人)の定期大会が二十五日、四日間の日程でシカゴで始まりました。現指導部に批判的な「勝利のための変革の連合」に参加する四労組が大会をボイコット。そのうち、あわせてAFL・CIOの二割の組合員を擁するサービス業国際労組(SEIU、組合員百三十万人)と全米運輸労組(チームスターズ、同百二十七万人)の両労組は、同日の記者会見で組織脱退を表明しました。
反対派の動きに対してスウィーニー会長は基調報告で、「私たちの将来を一部のグループの要求や個人の野心に左右させてはならない」と団結を呼び掛けました。
また、米経済の現状について、「今日私たちが生きているのはシーソーの世界だ。労働者の賃金と給付を押し下げることで、大企業の利潤やCEO(最高経営責任者)の年金、株価を上げている」と告発しました。
午後からの討議では「中米自由貿易協定(CAFTA)に反対する決議案」をめぐって、「北米自由貿易協定(NAFTA)で米国内の雇用がメキシコに奪われた」「必要なのは自由な貿易よりも公正な貿易だ」などの意見が次々と出されました。
脱退表明したSEIUのスターン会長は、「世界も、経済も、雇用者も変わったのにAFL・CIOは抜本的な変革をしようとしない」と現指導部との「基本戦略」の違いを強調。チームスターズのホッファ議長は、組織拡大のための反対派の提案が受け入れられなかったことを脱退の理由としてあげつつ、州や地域のレベルでは協力を続けると表明しました。