2005年7月25日(月)「しんぶん赤旗」
韓国
外国人に地方参政権
選挙権は19歳に引き下げ
韓国で永住外国人の地方参政権を認める公職選挙法改正案が成立しました。欧州では、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、オランダなどが永住外国人の参政権を認めていますが、アジアでは初めてだといいます。
韓国国会で六月三十日に成立した改正案は、永住資格を取得して三年を経過した外国人に、大統領選挙と国会議員選挙を除く地方自治体の議員選挙、首長選挙での投票権を与えるもの。あわせて選挙権年齢も満二十歳から十九歳に引き下げられました。
日本では、永住外国人への地方参政権を認める法案が衆議院に提出されていますが、成立のめどはたっていません。
在日本大韓民国民団の機関紙「民団新聞」七月十三日付は「民団の要望が実ったもので、在日定住外国人の地方参政権獲得にも弾みをつけそうだ」と一面トップで報道。
金宰淑団長は「韓国の法改正を契機に、日本が法案を早期に成立させることを強く望む。一部の外国人問題や内外の諸情勢を理由にこれ以上引き延ばしてはならない」との談話を発表しました。
市民団体の「定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワーク」も十一日、「韓国政府および韓国国会の英断に対して、敬意を表するとともに、心から歓迎する」との声明を発表。政府と国会に永住外国人の地方参政権を直ちに実現するよう求めました。
韓国人の地方参政権をめぐっては、一九九八年に来日した金大中大統領(当時)が国会演説で、日本政府に実現を求めるとともに、韓国でも地方参政権を付与すると言明。
昨年七月に施行された地方自治体住民投票法では、永住外国人の投票を認めており、二十七日に済州島で実施される韓国初の住民投票では、百十四人の外国人が有権者となる見込みです。(中村圭吾)