2005年7月25日(月)「しんぶん赤旗」
「世界の和解」被爆者の声耳傾け
パグウォッシュ会議年次総会
広島市長が訴え
秋葉忠利・広島市長は二十四日、広島市内で開かれているパグウォッシュ会議第五十五回年次総会二日目の講演で、テロや核戦争の危機が迫っていると警鐘を鳴らし、「原爆を落とされた憎しみを乗り越え、核兵器廃絶、世界の和解を訴える被爆者の声に今こそ、われわれは耳を傾ける時だ」と訴えました。
秋葉市長は冒頭、被爆者が死者をうらやむほどの苦しみを味わい、原爆を落とした者たちへの憎しみを抱いたが「二度と自分たちが受けた過酷な苦しみを、原爆を落とした者を含めたすべての人に味わわせてはならないと考え憎しみを乗り越えた。そして核廃絶と世界の和解を訴え多大な人々に大きな影響を与えた」と語りました。
ニューヨーク同時多発テロ以降、戦争やテロが続発していることについて危機感を表明。被爆者が訴えた「世界の和解」に耳を傾けることこそ二十一世紀を動かす力になると訴えました。
また、二〇二〇年までの核兵器廃絶を目指す「世界市長会議」(会長・広島市長)加盟数が一年間で、千六十五と二倍近くに急増したことを明らかにし、「NPT会議は決裂したが、米国もヨーロッパも核廃絶世論が多数であることが分かり、勇気付けられた」と述べました。