2005年7月25日(月)「しんぶん赤旗」
横須賀の米艦に核兵器
72年当時
米政府解禁文書に明記
神奈川県横須賀市にある米海軍横須賀基地の米艦船に一九七二年当時、核兵器が積載されていたことを示す米政府解禁文書が二十四日、明らかになりました。国際問題研究者の新原昭治氏が米国立公文書館で入手。同日、神奈川県相模原市内で行った講演で報告しました。
新原氏が入手した米政府解禁文書は、一九七二年八月二十五日付でラッシュ米国防副長官がアーウィン米国務次官に送った「極秘」扱いの書簡です。同書簡は、神奈川県の米陸軍相模補給廠(しょう)から横浜港の米軍専用ふ頭ノースピアへのベトナム向け戦車輸送が同月初めから日本のデモ隊によって阻止されている問題にどう対処するかを検討しているものです。
問題解決のための選択肢として横須賀基地経由で戦車をベトナムに輸送する案を挙げ、「横須賀の選択肢はわれわれ(米国防総省)が拒否した」と指摘。理由として「それはこの選択肢が結果的にいっそう多くの問題を突き付けられる機会を与えることになるからだ。すなわち、横須賀における米海軍艦船の存在、これら艦船上の核兵器の存在の問題が持ち上がる可能性がある」と明記し、横須賀基地にいる米艦船に核兵器が積載されていることを明らかにしています。
米軍による日本への核兵器持ち込み問題をめぐっては、日米両政府が一九六〇年の日米安保条約改定時に、核兵器を積載している米軍機や米艦船の立ち寄りは日本政府との事前協議の対象にならず、自由にできるという秘密取り決め(密約)を結んでいたことを、二〇〇〇年に日本共産党の不破哲三委員長(当時)が全文を示して明らかにしています。今回明らかになった解禁文書は、この核密約に基づいて日本の基地に核兵器が持ち込まれていたことを具体的に示すものです。