2005年7月23日(土)「しんぶん赤旗」

シベリア元抑留者に補償へ

衆院 共産党など共同で法案


 元抑留者などを対象に未払い賃金を補償する「シベリア抑留補償法案」が二十二日、日本共産党、民主党、社民党の共同で衆議院に提出されました。参議院は、二十六日に提出される見通し。

 法案は、▽シベリアなどへの抑留者が、戦後、極寒の地で強制労働させられた対価として、抑留期間に応じて三十万円から二百万円の特別給付金を支払う▽元抑留者らに慰労事業を行ってきた「平和祈念事業特別基金」を解散し、基金四百億円の財源を特別給付金の財源とする―などの内容です。

 提出後、山口富男衆院議員(日本共産党)、長妻昭衆院議員(民主党)、阿部知子衆院議員(社民党)らは、国会内で元抑留者ら約三十人とともに会見を開きました。

 各党の議員は、「労働の対価は国が責任をもつべきだ。戦後六十年、何としても今国会で解決の道をつけるため、力を尽くす」(山口氏)、「過去の労苦に報いるよう国としての措置をとるべきだ」(長妻氏)、「不払い賃金に対する正当な権利の要求」(阿部氏)などと発言しました。

 「シベリア抑留・未払賃金問題立法解決推進連絡会議」の寺内良雄共同代表は「元抑留者の平均年齢は八十歳を超える。もう明日がない。目の黒いうちに通過させてほしい」と訴えました。

 モンゴルに抑留されていた江藤文英さん(85)=東京・杉並区=は「モンゴルでの強制労働から命からがら帰ってきた。強制労働に対する補償をしてもらうため、これからもがんばる」と決意をのべました。


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