2005年7月21日(木)「しんぶん赤旗」
「こころざし生かして」
伊藤千代子生誕100年 澤地さんが講演
長野
戦前、日本共産党員として検挙され獄中での拷問や虐待に屈せず、二十四歳の若さで生涯をとじた伊藤千代子。出生地・長野県諏訪市の文化センターで十七日、生誕百年記念講演会が開かれました。
作家で「九条の会」呼びかけ人の澤地久枝さんが講演。東京から二百三十人がバスで参加したほか各地から千人余が集まりました。
「証言者としての伊藤千代子」と題して講演した澤地さんは、「日本は、戦争で亡くなった三百万人の人々を踏みにじりふたたび戦争をする国にしようとしている」と警告。「千代子が生きていたら、『あなたたちはなにをしているの』というと思う。今、日本はそれほど深刻な状況だと思う。千代子を始め多くの埋もれた人々を発掘し、語り継いでいきたい」とのべました。
記念事業実行委員会の木島日出夫実行委員長は、「千代子の生きた時代と今の日本の状況が重なりはじめている。この危機感が、千代子のこころざしたものを今に生かしたいとの思いにつながっている」と、あいさつしました。
千代子の写真や手紙が展示されたパネル展が開かれ、隣の諏訪市図書館では、北海道苫小牧で発見された千代子の最後の手紙(コピー)を見る参加者も。伊藤家の墓所では、墓前・碑前祭がおこなわれました。