2005年7月21日(木)「しんぶん赤旗」
アスベスト
労災認定 前年の1.5倍
04年度 中皮腫など186人に急増
アスベストが原因で肺がんなどの健康被害の労災認定をうけた労働者は二〇〇四年度に全国で百八十六人にのぼり、前年度の約一・五倍に急増していることが二十日、厚生労働省のまとめでわかりました。
同省によると、アスベストが原因のがん、中皮腫は百二十七人、肺がんが五十九人。〇四年度までのアスベスト健康被害による労災認定者は、中皮腫が約五百人、肺がんとあわせると八百四十九人に達します。
〇四年度の労災認定者が二〇〇三年度の百二十一人から急増していることについて、同省は「アスベスト輸入量は七〇年代から八〇年代にピークを迎え、三十年前は作業現場でとりあつかう量が多かった。中皮腫は潜伏期間が三十年から四十年とされている。逆算すると、そのころ作業者が吸った影響がでてきている」とみています。
アスベストの発がん性の危険は遅くとも七〇年代初めまでに国、企業が把握していました。製造・使用禁止が立ち遅れた結果、今後も健康被害者が拡大する恐れがあります。同省の人口動態調査にもとづく〇四年の中皮腫の死者数がわかるのは九月ごろといい、同死者数も前年の八百七十八人より激増していると予測されます。