2005年7月20日(水)「しんぶん赤旗」
コカコーラ労働者
異常な交代勤務を改善
“労組敵視せず”で合意
ロシア
【モスクワ=田川実】勤務形態の改善などを求めていたロシア・サンクトペテルブルクのコカコーラ工場の労働者たち(本紙六月六日付既報)が十九日までに、要求の一部をかちとり、労働組合敵視をやめさせる「労使の社会的パートナーの関係」をうたった合意書も結びました。
国際食品関連産業労組連合会(IUF)モスクワ事務所によると、同種の合意書はロシアに十一あるコカコーラ工場では初めてで、重要な成果です。合意書は、労使紛争は対話を通じて解決することを明記しています。
「コカコーラHBCユーラシア」社のサンクトペテルブルク工場では、社側が今年から、朝二日―夕方二日―深夜二日の勤務サイクルを導入。労組や従業員との合意はなく、「休みが取れない」との不満が広がっていました。
労組は、コカコーラ工場ではロシア初とされる集会を五月に成功させ、六月に会社側との団体交渉を実現。今回の合意は、その後続けられた交渉で達成しました。
会社側は、十二時間勤務を二日続けた後に二連休とする以前の勤務形態を復活せよとの労組の要求を受け入れ。職場で労組執行部が組合員と自由に話をすること、労組事務所、労組の掲示板の設置も認めました。
同工場のオフリメンコ労組委員長は「非組合員も含めみんな喜んでいる。もちろん組合員も増えた」と語ります。
今後の課題は、一部で残る異常な勤務形態の是正、団体協約の締結とここ数年のインフレ分を含む60%の賃金増をかちとること。横行している不払い残業については、裁判で係争中です。