2005年7月18日(月)「しんぶん赤旗」

公団副総裁が天下り関与

元技師長を強く推薦

橋梁談合の 三菱重工顧問に


 日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事をめぐる談合事件で家宅捜索を受けた公団元技師長の橋梁メーカーへの天下りに、内田道雄公団副総裁が深く関与していたことが十七日までに本紙の調べで分かりました。OBの天下りは通常、本社企画部が対応しており、副総裁のここまでの関与は異例。天下り受け入れは、工事受注と“引き換え”の関係になっており、発注権限を背景にした副総裁関与の背景が注目されます。

■メーカーに強い影響力

 内田副総裁の関与が浮上したのは、公団元技師長の三菱重工業への天下り。

 公団元技師長は、一九九八年に公団理事に就任。公団ナンバー3の技師長を兼任した後、昨年一月に退職、財団法人・高速道路技術センター顧問に天下りしました。

 昨年五月ごろ一部週刊誌が公団元技師長をめぐる疑惑を指摘する記事を掲載。このころから内田副総裁は、公団元技師長の財団顧問から橋梁メーカーへの天下りを強く主張するようになった、と橋梁業界関係者などは語ります。

 これらの関係者によると、副総裁は、最初は別の橋梁メーカーに天下りの受け入れを打診したものの、メーカー側が拒否。そのため、当時、公団OBが空席となっていた三菱重工業に天下りの受け入れを求めました。

 三菱重工業は昨年十月に公正取引委員会の立ち入り検査を受けていたため、受け入れに難色を示していました。

 内田副総裁は、業界が揺れているときだからこそ天下りが必要だと強く要求。三菱重工業も最終的に受け入れを了承、公団元技師長は今年一月、顧問に就任しました。

 内田副総裁は公団内では「橋の専門家」として知られた存在で、今年七月の組織改編までは、橋梁の専門家が在籍している有料道路部を副総裁として担当。橋梁メーカーに強い影響力を持っていたといいます。

 日本道路公団広報・サービス室は、内田副総裁の天下り関与についての本紙の取材にたいし「現在、捜査が進められているところで、コメントはさし控えたい」と回答。三菱重工業は「公団元技師長が顧問となった経緯についてはコメントできない」としています。


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