2005年7月17日(日)「しんぶん赤旗」
自民・改憲の「集い」で聞いたのは
国民ならぬ右派の声
「自衛隊を軍隊として明確に位置付けてほしい」「天皇をなぜ元首化しないのか」「家族を守る責務を検討事項に格下げしたのか」――。
憲法の平和主義を真っ向から否定する右派勢力の発言が続きます。
自民党は、十一月の党大会までに改憲草案をまとめようと、「国民の声を聞く集い」を計画。札幌市で十五日、第一回目が開催されました。
広く国民の声を聞き、改憲案に反映させるはずの「国民の声を聞く集い」。しかし、札幌の集会は「右派の声を聞く会」になりました。
パネルディスカッションでは、「新しい歴史教科書をつくる会」会長の八木秀次高崎経済大助教授、評論家上坂冬子氏らが発言。
中でも目立ったのが、上坂氏の異常な現行憲法攻撃です。「占領下に作られた憲法は、ろくなものであるはずがない」「東条(英機)さんも遺言のなかで、九条は泥棒がいるのに警察を無くすようなものだと言っていた」「両性の合意のみで婚姻が認められる二四条はおかしい」――。
戦前の軍国主義時代が素晴らしいと言わんばかりの時代錯誤ぶりに、進行役の舛添要一参院議員(自民党新憲法起草委事務局次長)も、慌てた様子となる一幕もありました。(樹)