2005年7月16日(土)「しんぶん赤旗」

経産省裏金作りの財団法人

役員、大半天下り

塩川議員追及


 経済産業省が、日本自転車振興会の補助金を受ける財団法人の研究費を使って、内部で長年にわたり裏金を捻出(ねんしゅつ)していた問題で、裏金に関係する振興会および財団法人・産業研究所などの役員はほとんどが経産省の天下りOBという実態が十五日、明らかになりました。

 この日、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が経済産業委員会で質問したもの。経産省と、同省OBが役員の多数をしめる公益法人という、いわば「身内」同士の組織で、不透明な資金の流れが長年放置され、不正の温床になったとみられ、他の補助先団体についても類似のケースがないか真相の究明が必要です。

 裏金となったのは、経産省の所管する日本自転車振興会が補助金を出す財団法人産業研究所の委託研究費。歴代の大臣官房企画室が十七年間も委託研究費を管理し、浮かした金を裏金として接待費や職員の飲食費などに使っていた疑いがあります。企画室の前室長=諭旨免職済み=が二千九百万円の裏金のうち二千四百万円を私的に流用し、株運用などに使ったことで今年六月に明るみにでました。また、前室長から裏金を引き継いだ現企画室長が二千万円を自分名義の銀行口座にいれていたことも明らかになっています。

 塩川議員は、振興会をはじめ、補助金を受ける公益法人も役員がほとんど経産省OBでしめられていると指摘しました。今年三月現在で、振興会の会長、副会長は元特許庁長官。産業研究所の所長や理事も元東北通産局長や元通産事務次官でした。補助金を受ける公益法人のうち補助金額で上位十団体には三十六人のOBが在職しています。

 塩川議員は、「補助金は余れば返還すべきもので、大臣官房企画室がかかわる経産省の組織的な横領ではないか」と中川昭一経産相に徹底究明を迫りました。

 中川経産相は「(経産省の組織的不正という)問題意識はある。調査委で徹底的に明らかにしたい」などと答えました。


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