2005年7月12日(火)「しんぶん赤旗」
米英軍 大幅削減か
英国防相が極秘メモ
イラク
英日曜紙メール・オン・サンデー十日付は、米英両国が一年以内にイラク駐留軍の半分以上を撤退させることを、選択肢の一つとして検討していると報じました。リード英国防相が過去数週間にまとめたブレア首相あての極秘メモによって明らかにしました。
英国防省はメモが本物であることを認めています。リード国防相は「各種のシナリオの一つ」だとしていますが、イラク駐留軍大幅削減が現実の選択肢の一つとして扱われていることが明らかになったのは初めてです。
メモによると、米国は来年早々にも全十八州のうち十四州で治安権限をイラク側に移し、米軍と同盟軍を現在の十七万六千人(うち米軍は十四万人近く)から六万六千人にすることを検討しています。
英軍については、管轄する南部四州のうち今年十月までに二州でイラク側に治安権限を移譲し、来年四月に残りの二州もイラク側にまかせて、駐留部隊を現在の八千五百人から来年半ばまでに三千人に減らそうと提言しています。
同国防相はメモで、大幅削減が英政府の公式の政策とはまだなっていないものの、そうすべきだと明確に信じていると述べています。
その一方で、国防相メモは米国防総省、中央軍の内部で、大胆な駐留軍削減に賛成する者と時期尚早だと警戒姿勢を崩さない者の議論が起こっていると指摘。メール・オン・サンデー紙は、英軍幹部の一部もリード国防相の削減提案に反対していると伝えています。