2005年7月12日(火)「しんぶん赤旗」
100万人署名始まる
サドル師呼びかけ
多国籍軍の撤退要求
イラク
【カイロ=小泉大介】米軍による大規模軍事作戦と武装勢力の攻撃、テロの応酬が激化するイラクで九日、イスラム教シーア派有力指導者ムクタダ・サドル師の呼びかけで、占領軍撤退を求める百万人署名活動がスタートしました。
サドル師のバグダッドでの代理人、アブデルハーディ・アルダラジ氏は本紙にたいし、「これは党派的な運動ではなく、圧倒的多数の国民の願いを反映したもの。百万の署名を集め、それを占領軍撤退を問う国民投票実施に結び付けていきたい。この運動は占領軍撤退をめざす運動の転換点となるものだ」と語りました。
署名用紙には「占領軍の存在を拒否し、その撤退を求める」とあり、賛同者は氏名と住所を記しその意思を表明。集まった署名はイラク移行政府と国連に提出されます。
署名活動は九日にバグダッド北東部のサドルシティーで開始され、十一日以降、とりくみが全土に拡大される予定です。
イラクでは現在、暫定国民議会(定数二百七十五)の百三人の議員が、「多国籍軍撤退日程の設定」を求める声明に賛同し、同声明を支持する集会が全土で開催されるなど、占領終結にむけた武力によらない運動が広がっています。
サドル師は「対米強硬派」として知られ、占領開始当初は自らの民兵組織も動員し占領軍にたいする武装闘争もおこないましたが、一月末実施の暫定国民議会選挙にも部分的に参加するなど路線を転換、この一年間は政治的な抵抗運動を推進しています。