2005年7月8日(金)「しんぶん赤旗」
「靖国問題」で国民的討論を
全教が呼びかけ
全教(全日本教職員組合)は六日、今月下旬から始まる各地の中学校教科書の採択にむけて、父母、市民、教職員へのアピール「『靖国問題』、『歴史教科書』での国民的討論を―侵略戦争賛美、憲法『改正』に道をひらく教科書を子どもたちに手渡してはなりません!」を発表しました。
アピールは、日本と近隣アジア諸国との関係を悪化させ、重大な国際問題となっている二つの問題として、小泉首相の靖国神社参拝と侵略戦争を賛美する「新しい歴史教科書をつくる会」歴史・公民教科書(扶桑社)の問題を提起。「二つの問題の根底には、過去の植民地支配と侵略戦争は正しかったとする歴史認識が太く貫かれている」と指摘しています。
「日本政府の歴史認識が根本から問われている」とのべ、侵略の歴史に正面から向き合い、平和な世界をめざす国際的な流れから日本を切り離そうとする動きを断ち切るため、国民的な討論を呼びかけています。
アピールは、「歴史の真実をゆがめ侵略戦争を賛美する教科書は、憲法・教育基本法の平和主義・国際協調の原則に背き、教科書として適格性を欠いています」と強調。子どもたちによりよい教科書を手渡す運動を強めようと呼びかけています。