2005年7月8日(金)「しんぶん赤旗」
「君が代」起立斉唱
「研修」命令取り消しを
被処分教員が都教委を提訴
東京都教育委員会が卒業式、入学式で「君が代」を起立斉唱しなかった教員を不当処分し「再発防止研修」を命令したのは、「内心の自由」を侵害する行為だとして、都立高校、障害児学校の教員二十五人が七日、命令の取り消しを求めて都と都教委を東京地裁に訴えました。「研修」が二十一日に切迫しているため、判決が出るまでの間、命令の執行停止を併せて申し立てました。
原告側は申立書で、「再発防止研修」は、教員の思想・信条に基づく行為を「非行」ととらえ、「再発防止」のために「反省を促す」ものだと指摘。「研修」を命令することは「内心に踏み込み、人格権を著しく侵害する、憲法一九条に違反」するものであり、取り消すよう求めています。
提訴の記者会見で、原告側弁護団の加藤文也事務局長は、「昨年の『研修』は、教員に何度も『反省』を迫り、二度と『君が代』で不起立をさせないためのものだった。『研修』の実態が明らかである以上、今回、裁判所が執行停止を命令してもおかしくない」とのべました。
都教委はことしの卒業式、入学式で「日の丸・君が代」強制に従わなかった教員のべ六十三人を停職や減給、戒告などとし、退職者を除く五十一人に「再発防止研修」を命令しています。