2005年7月5日(火)「しんぶん赤旗」
アスベスト汚染
情報開示など求める
大阪 共産党がクボタ本社に
大手機械メーカー「クボタ」(本社・大阪市)が先月二十九日に公表した同社の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)のアスベスト汚染問題で、日本共産党衆院近畿ブロック事務所は四日、同本社を訪れ、調査・懇談しました。
吉井英勝衆院議員、平松順子衆院比例候補、宮田静則兵庫県議、田村征雄尼崎市議ら七人が参加しました。
クボタからは伊藤太一安全衛生推進部長、苅田一彦安全衛生推進部担当部長らが応対しました。
今回明らかにされた健康被害では、従業員ら七十八人が「中皮腫」というアスベストが原因のがんなどで亡くなり、近隣住民五人も発症、二人が死亡しています。
吉井衆院議員らは、アスベスト製品を製造していた当時の情報提示を通じて、問題の解明と今後の対策に取り組んでいく必要があると指摘。被害の実態と今後の調査、補償と住民への説明などについて質問し、意見を交わしました。
今後の被害拡大防止に欠かせない情報開示については、死亡した従業員の経歴は現在整理中といいます。製品の納入先は記録が残っていませんでした。工場内と周辺地域のアスベスト濃度についても、作業環境測定法と大気汚染防止法によって測定を始めた、それぞれ一九七七年、八九年以後のデータしかなく、調査内容も限定的であることがわかりました。
周辺住民への影響については、国・自治体や医療機関と協力した対応が必要と強調し、クボタ側も同意しました。
宮田県議は「旧神崎工場は、JRの脱線事故が起きた現場から二キロくらいの所。周辺住民は、企業が人命や安全対策をどう認識しているかに敏感になっている。市南部では、多くの人が大気汚染公害の被害に今も苦しんでいる」として、住民感情を踏まえたていねいな対応を求めました。