2005年7月5日(火)「しんぶん赤旗」
企業献金やめます
札幌市も出資 北海道ガス
外相らに毎年 「適切さ欠く」
札幌市も出資する公益企業の北海道ガス(札幌市中央区)とその関連企業が、町村信孝外相の政党支部を含む自民党の三つの支部に毎年計七十八万円の献金をしていたことがわかり、同ガスは関連会社も含めて今後、献金を中止することを四日までに表明しました。
北海道選管に提出している政治資金収支報告書や北海道ガスによると、同社が献金していたのは、(1)自民党北海道第五選挙区支部(代表・町村信孝外相)(2)自民党北海道参議院選挙区第二支部(同・中川義雄参院議員)(3)自民党北海道札幌市豊平区第四支部(同・三上洋右札幌市議)。第五選挙区支部は二〇〇〇年から〇四年まで、他の二支部は〇一年から〇五年まで、いずれも毎年十二万円、計六十万円の献金を「会費」名目で受け取っていました。
また、北海道ガスの関連会社、北ガス建設(札幌市白石区)は北海道第五選挙区支部に毎年十八万円、北海道参議院選挙区第二支部に同十二万円の献金をしていました。北ガスジェネックス(札幌市東区)も北海道参議院選挙区第二支部に毎年十二万円の献金があります。
北海道ガスは、公益企業で札幌市が二百二十四万四千株を所有する第七位の大株主。市が出資する企業が、市長選や市議選で候補者の推薦や公認をしている政党に献金することは政治資金規正法で禁じられています。
同社は、「公益事業者の立場として、このような寄付を行っていたことは適切さを欠いていた」として、「今後は政党・政治団体への寄付については一切行わない」と表明。「企業の社会的責任を十分自覚し、コンプライアンス(法令順守)のいっそうの強化に努める」としています。
北海道ガスは、本紙の問い合わせに、寄付先の三支部から五年分、各六十万円の返還があったとのべ、関連会社二社の献金についても、「今後、やめようと思っている」と答えました。