2005年7月2日(土)「しんぶん赤旗」
在日米軍
事件・事故20万件超
日本人1076人が犠牲 52〜04年度
■赤嶺議員追及
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米軍の事件・事故は二十万一千件を超え、日本人死者は千七十六人にのぼる―。日米安保条約下で米軍が日本国内で起こした事件・事故の件数と日本人の死者数が一日、明らかになりました。
日本共産党の赤嶺政賢議員の要求に、防衛施設庁が資料を提出したもの。赤嶺氏は同日の衆院外務委員会で、米軍の「公務中」の事件・事故について日本側が一度も裁判権の行使を要求していないなど野放しになっている実態も明らかにし、政府の姿勢を批判しました。
防衛施設庁の資料によると、旧日米安保条約が発効した一九五二年度から二〇〇四年度までに米軍が起こした事件・事故は二十万一千四百八十一件(一九七二年の施政権返還前の沖縄分を除く)。うち「公務中」の事件・事故は四万七千二百十八件(日本人死者五百十七人)、「公務外」は十五万四千二百六十三件(同五百五十九人)となっています。
在日米軍の特権を定めた日米地位協定によると、日本人死者数のほぼ半数を占める「公務中」の事件・事故は第一次裁判権が米軍側にあるとされる一方、日本側が裁判権を行使するため、その放棄を要請することができます。
赤嶺氏は一日の衆院外務委で、米軍の「公務中」の事件・事故について「日本側がこれまでに第一次裁判権を放棄せよと米国に迫ったことはあるか」と追及。法務省の大林宏刑事局長は「第一次裁判権の放棄を求めた例はない」と答えました。
さらに赤嶺氏は「それらの事件・事故で米軍が軍事裁判を行ったのは何件か」と質問。大林局長は一九八五―二〇〇四年までに軍事裁判を受けたのは一人、懲戒処分は三百十八人であることを明らかにしました。
赤嶺氏は「多数の事件・事故が起きているのに(二十年間で)軍事裁判はたったの一件。懲戒処分では犯罪に対する抑止にならないのは明らかであり、米軍の犯罪は野放しにされている」と批判。日米地位協定の抜本改定を求めました。
■在日米軍、事件・事故20万件超
防衛施設庁が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料から作成。
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