2005年6月30日(木)「しんぶん赤旗」
記載住所に会社なし
郵政政府広報契約 疑惑深まる
佐々木議員
|
郵政民営化法案PRの政府広報を竹中平蔵郵政民営化担当相秘書官の知人が経営する広告会社「スリード」が随意契約で受注していた疑惑で、この会社と内閣府がとりかわした契約書に、同社の登記簿上の本店所在地とは違う住所が記載されていたことが明らかになりました。日本共産党の佐々木憲昭議員が二十九日の衆院郵政民営化特別委員会で指摘したもの。
官公庁が民間業者と契約する際、通常は会社の登記などを確認したうえ審査するのは常識的な手続きで、そうした最低限の確認もないまま、この契約が交わされた疑いがあります。
佐々木氏の調査によれば、契約書上のスリード社の所在地は「東京都千代田区神田神保町一」とありますが、この住所で会社登記はなく、存在していませんでした。実際に同社が登記している本店の所在地は「東京都江東区大島一」でした。(左上参照)
佐々木氏は、同社との随意契約には政府内にも異論があり、政府広報室員が郵政民営化準備室に送ったメールに「全く新しいどこの馬の骨だかわからんところ」と、同社の素性を怪しむ記述があったことを指摘。一億五千万円もの巨額の契約であるにもかかわらず、会社の身分証明ともいうべき登記の確認もせずに契約を結んでいることの異常さを批判しました。
この政府広報の問題をめぐっては、実際の契約日とは違う日付で事務処理がされた問題、契約日付の段階では決裁に必要な見積書が出されていなかった問題など不明朗な実態が次々発覚。「スリード」は昨年三月に設立されたばかりで、政府との契約実績もないにもかかわらず、入札なしの随意契約で受注した背景に、竹中担当相側の口利きがあったのではないかという疑惑も指摘されています。