2005年6月29日(水)「しんぶん赤旗」
郵政民営化
地域社会崩壊にも
地方公聴会で批判次々
郵政民営化に関する特別委員会の地方公聴会が二十八日、札幌市、新潟・上越市、佐賀・唐津市で開かれました。
札幌市の公聴会には日本共産党の塩川鉄也衆院議員が出席しました。
塩川議員は、懇談したある首長が「国鉄の分割民営化で地方は切り捨てられた。過去の歴史を見れば民営化の先に何があるか明らかだ」と批判の声を上げていたことや、道内ほぼすべての地方議会から民営化反対、慎重審議を求める声があがっていることを紹介しながら、「郵便局の公的セクターとしての役割は大きいのではないか」「採算性重視の民営化でどんな心配があるか」と、意見陳述者に尋ねました。
紋別市の渚滑(しょこつ)郵便局の村上一夫さんは、多くの利用者から「なぜ民営化しないといけないのか?」「民営化したら破たんすることもありうるのか?」など、不安や心配の声が相次いで寄せられていることを紹介。紋別市には金融機関は郵便局と信用金庫しかありません。「不採算地域から撤退したら、そこで生活を営む人が生活できず、地域社会の崩壊につながりかねない。過疎化の地域に郵便局があって、国営であるからこそ国民は安心できる」と強調しました。
障害者の生活と権利を守る北海道連絡協議会の片石松蔵会長は、自身も全盲の視覚障害者。「障害者にとって障害者団体の機関紙は、会員と会員を結ぶきずなであり、生きていく糧だ。安価な第三種郵便の制度が活動を支えている。盲人用点字や録音を三キロまで無料で送れる第四種郵便も郵便局ならではのサービス。民営化で利益の追求がされたら、それと相反する福祉は隅に追いやられかねない」とのべました。