2005年6月24日(金)「しんぶん赤旗」
タクシー運転手ら国提訴
賠償求め仙台の69人
規制怠り収入減に
タクシー台数の過剰が大きな問題になっている仙台で二十三日、市内のタクシー運転手六十九人が、極端な収入減は国が適切な規制を怠ったためだとして、減収分の総額約一億円の国家賠償請求を仙台地裁に提訴しました。タクシーの過剰供給にかんして国の責任を問う訴訟は全国で初めて。
訴状は、二〇〇二年に道路運送法が改定され、タクシー業界の新規参入や増車が容易になった結果、仙台市内では約三割タクシー台数が増え、運転手の年収は生活保護水準以下になっていると指摘。同法は、特定の地域でタクシーが著しく過剰となり、安全確保などの困難が予想されるときは国は緊急調整地域(増車が規制される)に指定できると規定しているにもかかわらず、国は怠っていると主張しています。
記者会見で菊地修弁護士は「仙台の実態を国は把握しているにもかかわらず、指定をしない。その責任を問う」と発言。原告を代表して小梛順章(おなぎ・よりあき)さん(35)が「少しでも稼ぐために運転手たちは超長時間労働をしている。それは結局、お客さんの安全をも脅かすことになる」と話しました。
会見後の集会で、自交総連宮城地連(相沢道彦委員長)の石垣敦書記長があいさつ。全国の自交総連傘下の組合から「訴状を欲しい」と要請されていることを紹介し、「仙台が先頭に立って、全国にたたかいを広げよう」と呼びかけました。