2005年6月24日(金)「しんぶん赤旗」
基地の苦しみ 今も
沖縄戦「終結」60周年追悼式
沖縄は二十三日、日本国内で唯一、住民を巻き込む激しい地上戦となった沖縄戦「終結」六十周年を迎えました。最後の激戦地となった糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では、県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、六十年前と変わらぬきびしい日差しのなか、約五千二百人が参列しました。
会場の前方に座った波平トヨさん(83)は、戦前は県外の工場で働いていました。戦後沖縄に帰って、はじめて両親と二人のきょうだいが亡くなったことを知りました。米軍占領と基地の島で苦しんできた思いがよみがえり、涙を浮かべながら「二度と戦争する国にだけはなってほしくない」と祈っていました。
追悼式では、正午の時報を合図に参列者全員が一分間の黙とう。稲嶺恵一沖縄県知事、小泉純一郎首相、河野洋平衆院議長、扇千景参院議長をはじめ、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員や遺族の代表らが献花しました。
平和宣言で稲嶺知事は「戦後六十年を経たにもかかわらず、本県は依然として過重な基地の負担を強いられている」と訴えました。
小泉首相は来賓あいさつで基地問題に触れたものの、「在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄をはじめ地元負担の軽減に向けて、米国と協議に臨んでいます」と述べただけでした。
与那原東小学校六年の上原凛君(12)は自作の詩を朗読し、「今ぼくにできること/戦争がいやだといえること/戦争のこわさをつたえていくこと/そして/みんなで平和を願うこと」と心を込めて読み上げました。