2005年6月18日(土)「しんぶん赤旗」
米軍
低空飛行 休日に増加
広島 99年の日米合意違反
広島県における米軍機低空飛行の目撃件数が、休日や週末では三十件と昨年同期の三倍に増えていることが、十七日までに県の調査で分かりました。これは「休日の飛行を自粛する」とした日米合同委員会合意(一九九九年一月)に反します。
中国山地は米軍の低空飛行訓練ルート「ブラウンルート」に入り、住民への被害がいまも続いています。
調査によると、昨年度下半期(昨年十月―翌年三月末)は三市町、二百三十六件(前年同期比十二件減)。情報が寄せられたのは庄原市(四件)、北広島町(二百十件)、三次市(二十二件)です。
目撃件数が減ったことについて「米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会」(藤原清隆会長)の岡本幸信・事務局次長は「たまたま今下半期が少なかっただけで減少傾向にあるわけではない」としています。
広島県は「厚木基地の空母艦載機部隊やNLP(夜間離着陸訓練)の岩国移転の影響など、今後も楽観はできない」と答え、週末や休日の増加については「九九年一月の日米合同委員会合意の実効性に疑問を抱かざるを得ない」としています。
広島県は二十一日に上京し、低空飛行訓練の実態を明らかにすることや米軍厚木基地艦載機部隊やNLP移転にかんする速やかな情報提供を求める要請を行います。
厚木移転については藤田雄山広島県知事が反対であることを明確にしています。