2005年6月17日(金)「しんぶん赤旗」
「一人親方」に労災認定
ダンプカー 葬祭料など不支給取り消し
栃木・審査会
所有するダンプカーで砕石を運搬する仕事をしていた栃木県の「一人親方」の男性がダンプカーの点検中に亡くなったのは過労死だとした遺族の労災申請について、労働保険審査会は九日付で労災を認め、佐野労働基準監督署がだした労災遺族年金、葬祭料の不支給処分を取り消しました。十五日、遺族が県庁で記者発表しました。「長時間労働を理由として『一人親方』の過労死が認定されたのは、全国で初めて」(弁護団)です。
「一人親方」と呼ばれる自営型労働者は「裁量と自主性が認められている」と労災認定が難しいとされてきました。
認定されたのは、心筋こうそくのため一九九九年七月に亡くなった栃木県小山市の青柳武さん(当時三十七歳)です。青柳さんは所属する全日本建設交運一般労働組合関東ダンプ協議会を通じて労災保険に特別加入していました。発症直前の時間外労働時間は月百時間にのぼり、長時間労働が原因で発症したと認定されました。
青柳さんの妻、都代子さん(42)は労基署に労災申請しましたが認められず、栃木県労働者災害補償保険審査会に審査を請求。審査官の労働時間の計算ミスで請求棄却に。都代子さんは再審査請求し一年七カ月たっても結論が出ないため労基署を相手取り提訴していました。