2005年6月16日(木)「しんぶん赤旗」
「つくる会」教科書
適性欠いている
教育関係者151人アピール
教育研究者や教育関係者など百五十一人が十四日、「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史・公民教科書は「憲法・教育基本法の平和主義・国際協調の原則に背き、中学の教科書として適性を欠いている」とするアピールを発表しました。
アピールは、浅羽晴二(全国民主主義教育研究会)、梅原利夫(和光大学)、大田堯(東京大学名誉教授)、片岡洋子(千葉大学)、勝野正章(東京大学)、小林和(民主教育研究所研究委員)、中野光(教育学研究者)、三上昭彦(明治大学)、森田俊男(平和・国際教育研究会)など九人が呼びかけたもの。
アピールは、「つくる会」の歴史教科書が「侵略戦争と植民地支配を正当化」し、「アジア諸国に与えた多大な被害が消された」ものになっていること。公民教科書は「改憲という特定の政治的立場が強調」されていると批判しています。
特定の政治勢力がかかわる「つくる会」教科書が採択されることになれば、地域の教育に「新たに政治勢力の介入」と「混乱」を招くとの懸念を表明。「教育的評価で採択が行われること」を求めています。
八月の採択時期に向け、子どもたちの現状や願いを中心に置いて各地で教科書問題や教育のあり方などをめぐる議論を起こすよう「切に願う」としています。