2005年6月12日(日)「しんぶん赤旗」

主張

30人・少人数学級

45都府県の流れを東京でも


 公立小中学校で、三十人学級をはじめ少人数学級を実施する自治体が全国的に大勢となっています。

 国の学級編成標準の「四十人」を下回る少人数学級を導入しているのは、昨年度四十二道府県(文部科学省調査)、今年度は三県(岐阜、石川、佐賀)増え、合計四十五道府県に広がっています。

 未実施県は東京都と香川県だけですが、香川県でも現行制度を検証する検討委員会が発足しています。

中教審会長も「必要」

 国の段階では、中央教育審議会の鳥居泰彦会長が、「三十人学級を中心とした手厚い教育、これが日本に必要であることはもう申すまでもございません」(三月二十九日の参院文教科学委員会)とのべました。

 中教審での議論を受けて、文部科学省の「教職員配置等のあり方に関する調査研究協力者会議」で、少人数学級導入への検討が行われています。

 首都東京で、三十人学級実現への力が大きくなるかどうかは、国の段階で始まっている検討にも大きな影響を与えます。

 東京では、石原都政が三十人学級を拒否しています。自民、公明、民主の各党は、三十人学級を求める意見書に反対しています。

 三十人学級の実施を妨害して、「『三十人学級』といった一律の数の論理ではなく」(自民党)「サッカーの試合もできない…何か活気に乏しいクラスになってしまう」(公明党)などといっています。

 しかし、学校の体育で、サッカーの試合をするのに、三十人学級は何の障害にもなりません。二つのクラスが合同でやったり、独自に人数を含めたルールを決めるなど、実態にあった創意工夫がどこの学校でも行われています。また、子ども一人ひとりが試合のなかでボールにふれる機会を増やすうえでも、三十人学級には利点があります。

 少人数学級の教育効果は、地方の経験で確かめられており、文部科学省の協力者会議にも、報告されています。

 山形県は、二〇〇二年から〇四年度までの三年間で、小学校の全学年で「二十一―三十三人」学級にしました。「不登校の減少」「欠席数の減少」「学力の向上」という三つの効果が明らかになっています。とくに、「わかる・楽しい授業」とともに「温かい人間関係」を重視したとりくみで不登校の児童数が大幅に減っています。

 鳥取県は、二〇〇二年度から小学一、二年の三十人学級、〇三年度から中学一年の三十人学級を実施しています。小学低学年は学校になれる上で効果があり、中学校では不登校の減少が目にみえる形であらわれています。

 学習面でも生活面でも効果があきらかな三十人学級は、もはやおしとどめることができない全国の流れです。自治体で実施している少人数学級の財源の七割は国庫負担金です。

全国でも東京でも

 財政が困難な自治体でも、少人数学級に踏み出しています。

 東京では、日本共産党が、「三十人学級」など五項目の願いを実現するための財源として、都予算の0・5%(三百十億円)でできることを示し、二十万円の家計にたとえると千円のやりくりで、その気があればすぐできると訴えています。

 日本共産党の議席を増やして、東京でも、全国でも、三十人学級を実現する道を切り開いていきましょう。


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