2005年6月11日(土)「しんぶん赤旗」

不当労働行為

常総学院と和解成立

救済申し立て小仁所さん 教壇復帰の見通し


 茨城県土浦市の学校法人・常総学院(桜井富夫理事長)が運営する常総学院高校(原田敏和校長)の教諭、小仁所(こにしょ)厚志さん(47)が老人ホームへの出向や合宿所和室への勤務を命じられたのは不当労働行為に当たるとして県労働委員会に救済を申し立てていた事件が十日までに、和解しました。小仁所さんは今後一年以内に教壇に復帰できる見通しです。

 同学院側は昨年四月、一切理由を告げることなく同学院教職員組合委員長の小仁所さんに特別養護老人ホームへの出向を発令。その後、校舎別棟の合宿所和室への勤務を命じました。このため小仁所さんが同年六月に県労働委員会に救済を申し立てていたものです。

 和解内容は▽小仁所さんは六月十三日付で学校寮に勤務して研修、期間は一年以内▽高校教諭として会議や学校行事に出席できる▽教壇復帰は意思を十分尊重し、協議して決定する▽健全な労使関係の形成につとめる―など。「誠実に研修し、終了後は速やかに教壇復帰させるものとする」との覚書も交わしました。

 小仁所さんは「教壇に復帰できる見通しが立ったので和解した」とコメント。支援してきた茨城私教連は「争議が解決するのは教壇に復帰したとき。学院側が和解協定を誠実に履行することを期待している」と話しています。


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