2005年6月9日(木)「しんぶん赤旗」
国交省発注の港湾工事
予定価格漏れの疑い 吉井議員指摘
落札率100% 395件も
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国土交通省発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)談合事件で、談合組織に加盟していた企業が同省・八地方整備局が発注した港湾工事にも参加、予定価格に占める落札価格の割合(落札率)が98%以上が大半で、落札率100%の工事が約一割にのぼっていたことが分かりました。日本共産党の吉井英勝議員が八日の衆院経済産業委員会で明らかにしたもの。
落札業者 橋梁談合企業もズラリ
吉井議員が一九九七年度から五年間分の港湾工事四千二百五十四件(合計発注額一兆六百三十四億円)を分析した結果、落札率100%が9・3%、98―99・99%が65・8%。90%未満がわずか1・5%でした。
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吉井議員は落札業者のなかには、橋梁談合で問題になっている横河ブリッジ、三菱重工業などの企業がずらりと並んでいることを強調。「落札率100%が三百九十五件(9・3%)もあるのは、予定価格を入札企業が事前に知らない限りありえない」と追及しました。
なかでも九州地方整備局発注の港湾工事は、落札率100%の入札が13%にのぼっています。
吉井議員は談合の疑いが濃厚だとし、公正取引委員会が談合を告発した関東・東北・北陸各地方整備局の橋梁工事だけでなく、九州整備局の港湾工事についても、発注者の関与も含めて調査するよう公取委に求めました。
公取委の楢崎憲安審査局長は「いま、審査を継続しており、発注者の関与については証拠に基づき適切な対応をとっていきたい」と答えました。